家具デザインの巨匠アルネ・ヤコブセンの名作であるドロップチェアのリプロダクト(復刻版)・・・は多数ありますが、こちらは実用性を重視し、現代風のワークチェアのデザインに取り入れたものになります。
デザイン性と機能性を併せ持った実用的でアーティスティックなワークチェアは普段使いが出来るインテリアとして機能します。
巨匠アルネ・ヤコブセンのドロップチェアをワークチェアとしてリプロダクト
巨匠アルネ・ヤコブセンの数々の名作チェアの中でも特に名作と名高いドロップチェアを現代の一般的なチェアであるワークチェアに落とし込んだリプロダクトです。
アルネ氏といえばチェアですが、実はもともと建築方面がメイン業務のデザイナーです。彼はデンマーク出身のユダヤ人で、ナチスドイツにデンマークを占領された際に迫害を逃れるためにスウェーデンに亡命します。
ナチスが敗北し、デンマークへ帰国後にデザインしたチェアが高く評価され、その後に数々の名作を生み出しますが、その頃は50歳を超えていました。
そう、アルネ・ヤコブセン氏は50歳ころからチェアデザインの才能を開花させたんです。
そんなアルネ氏が生み出した名作のドロップチェアを、令和の時代に実用的な形で楽しめるようになったのがこちらのワークチェアです。
耐荷重は80kgほど、キャスターも付いており、レバー操作による昇降機能もあります。
ドロップチェアから受け継いだのは座面フォルムのみで、脚はワイヤーではないですし、座面もオリジナルのように樹脂ではなく、ワークチェアとして機能するようファブリックとウレタンによるクッション性を取り入れました。
ドロップチェアのデザインを取り入れつつも実用性を損なわない様にワークチェアとして最低限機能するようデザインされています。
これは、アルネ・ヤコブセン氏のファンの方から見ればドロップチェアではないと思うかもしれません。
確かにこれはドロップチェアではなくワークチェアとしてリプロダクトされた模倣の1つです。しかしながら彼の意思はリスペクトされ、現代でも機能するようにデザインが踏襲されているのは間違いありません。
ドロップチェアのリプロダクトは多数存在します。まるでトレースのように樹脂を使い、堅い座面とスラっとしたワイヤー状の脚でリデザインされたものもありますよね。
それも素敵ですが、そもそもインテリアも含めた施設建築を生業としたアルネ氏のデザインするチェアはその施設に合うデザインとなっています。
基本的に一般住宅に向けたデザインではないため、ワイヤー状の脚はフローリングを傷つけますし、気軽に椅子を引く事も躊躇されるでしょう。
一見、ドロップチェアの座面だけを取った別の何かのように見えるかもしれませんが、これは現代の環境に合わせれらた、立派な「ドロップチェアのリプロダクト」なのです。