青森県はブナの木の蓄積量が日本一です。ブナは漢字で書くと橅。この漢字のように、ブナは昔から「分の無い木」という扱いで軽視されています。
しかし、ブナはビーチ材という材木で世界的に幅広く使われています。日本の青森には多くのブナが生息しているにも関わらず、軽視され続けてきたため、木材として流通させる整備が整っておらず、結果的に欧州や北米などからの輸入に頼っているのが現状です。
もっと国産ブナが流通すれば整備も整うし、材木を今より安く使う事が出来ます。
青森産のブナで作られた木と音の融合スピーカー<BUNACO>
そのためのプロジェクトの一つとして、青森のブナのブランディングとして立ち上げられたのがBUNACOです。
世界最大級のブナの原生林であり世界遺産の「白神山地」がある青森県。お察しの通りブナの木が豊富にあります。
ブナは「天然のダム」と呼ばれるほど保水力に優れますが、それは建築材としては水分を多く含むため狂いが生じやすい、腐りやすいなどの欠点があります。
この致命的な欠点のため、枕木や薪などにしか用途が無い役立たずの木として戦後大量に伐採されました。
加工のしにくさと、狂いが大きいという欠点を解消し、従来の削り出し製法に比べて少ない資材で木材が活用できるという画期的な技術を編み出したのがBUNACOです
例えばスピーカー。世界的デザイナーの佐藤ナオキ氏に任せて開発されたスピーカーがあります。
佐藤ナオキ氏はカナダ出身の建築デザイナーで2006年には「世界が尊敬する日本人100人」にランクイン、2012年、デザイン界最高の栄誉と言われる「EDIDAデザイナー・オブ・ザ・イヤー」を最年少で受賞した、世界的なデザイナーです。
青森のブナを世界的デザイナーに任せてみたら、見た事もない未来的、先進的且つ機能的デザインの木と音の融合を成し遂げたスピーカーが出来上がりました。
残念ながら現在の世界的な電子部品等の資材流通の停滞により、現在は生産が停止されてしまっていますが、他のBUNACOは現在も創意生産されています。
BUNACOといえばこちらのスピーカーだったのでまた再生産される事を祈りつつ、「木材として活躍するブナ」の製品の数々をぜひ手に取ってみてください。