伊藤若冲「玄圃瑤華」の「未草」をアレンジしてデザインした男性用の短地ペンテ京扇子をご紹介します。
江戸時代中期に活躍した絵師・伊藤若冲の代表作「玄圃瑤華」の「未草」をアレンジしてデザインした、男性用の短地ペンテ京扇子「伊藤若冲・未草に蛙」が、京扇子を専門に扱う扇子司 伊藤常から発売されました。
伊藤若冲「玄圃瑤華」の「未草」でデザインした京扇子
この京扇子は、若冲の名作「玄圃瑤華」のうちの「未草」を、モダンにアレンジしてデザインされています。
「未草」とは、現代では「ヒツジグサ」の事。
スイレン科の水生多年草で、夏に素朴で美しい白色の花を水面に咲かせます。
若冲の絵では、未草の花が咲き乱れる池に、蛙が遊んでいる様子が描かれています。
玄圃瑤華は墨版画で対象物が白くなる反転デザインが取り入られていますが、こちらの京扇子では、敢えて逆に未草の花を黒一色で描くことで、モダンな印象を与えています。
短地ペンテってどんな京扇子?
こちらの短地ペンテの京扇子には骨部分に、未草の花が描かれていますね。
細かな線で繊細に描かれた花は、扇子全体のデザインを引き立てています。
そもそも、「短地ペンテ」ってどういう意味なんでしょう?
「短地」は扇子の紙部分が短くしてある扇子を指します。
地紙の面積が狭い分、扇いだ風をそのままダイレクトに送らず、中骨の露出が多い分、余分な風を切ってくれるので優しい風を送ることが出来ます。
また、露出が多い中骨には上質な竹素材を使用することが多く、より一層しなやかで優しい風を扇ぐことが出来る扇子となっています。
そして「ペンテ」とは中骨部分にデザインされている事を指します。
紙に印刷するものとは違い、美しく絵を、広げた際に骨に入れるのはある程度の技術力が求められるため、こちらも高級な扇子に用いられる技術です。
今日ご紹介した「伊藤若冲・未草に蛙」の短地ペンテ京扇子には骨に上質な唐木染竹が採用されており、素材も技術もデザインも高品質な扇子に仕上げられています。
日本の伝統的な美術作品を身近に感じられる、ユニークなギフトとしてもおすすめです。
「伊藤若冲・未草に蛙」は、扇子司 伊藤常の公式楽天ショップなどのECサイトなどで購入できます。
価格は、1本7,500円前後となっています。